まだまだ知られざるドイツの歴史探訪の旅。偉大な芸術がうみだされた現場や歴史の舞台となった場所を訪ね歩くことで、紙の上に留まらない活きた文化を醸成してゆく地道な旅の記録です
by fachwerkstrasse
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ベルリン中央駅© 2010-2011 M.UNO
2005年よりドイツ在住
NRW→Thüringen→Hessen
と放浪の旅を経て、現在は
ドイツ・ハイデルベルク大学
会議通訳修士課程 在籍中
日本独文学会幽霊会員
日本ヘルマン・ヘッセ友の会/
研究会幽霊会員
[翻訳]
ヘルマン・ヘッセ:インドから
(ヘルマン・ヘッセ全集第7巻)
臨川書店(京都)
当ブログに掲載の文章・写真の無断転載を禁じます。写真下に
[©DFS] と記されている場合、著作権は全てブログ著者に帰します。それ以外の写真や引用は、その都度出典や著作権元を明示しております。
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次世代の演奏家 ダーヴィッド・テオドーア・シュミット ②

フランクフルト中心部から少し北に行ったところにある、ベヒシュタインでのコンサートは、店頭でのイベントながら、ピアノはフルコンサートグランドなので、ちょっと耳が痛かったが、彼の持っている音楽はまごうかたなき、本物だった。
最新のCDとほぼ同じ演目の、メンデルスゾーン、
シューベルト、ブラームスを見事に披露。
実際に間近で観てみたら、写真よりもっと気品が漂っていて、確かにいかにも育ちのよさそうな風貌だけど、でも普通に大学とかにいそうなお兄ちゃん(笑) しかも休憩時間には、トイレで隣同士(笑 ←店内だからね)
_____________________[David Theodor Schmidt © KASSKARA 2006]
アンコールで「これだけの濃いぃ演目の後で、さらにアンコールとなると、選曲がとても難しいのですが・・・」
と、軽く笑いをとりながら、無言歌集よりデュエットを披露。
とりたてて、解釈の面で斬新さを打ち出しているわけではなく、むしろ拍子抜けするほどに真正面から音楽に取り組んでいる。だから、ファジル・サイやカツァリス、シフラなどが好きな人にとっては、おそろしくつまらない音楽だと思う。ドイツ期待の星として大活躍のシュタットフェルトがいるが、彼が斬新さを打ち出して、スタイルとしてはスマートさを打ち出しているのとは好対照だ。
また今年の3月にはテューリンゲン・バッハ週間に登場。

ワイマール城のホールでバッハのパルティータやリストを
披露した。だが、ここではピアノがあまり良い楽器ではなく
豊かな音色の陰影があまり味わえず、少し歯痒い思い。
(だってフルコンサートサイズじゃないでしょ、これ…)
それに、スタインウェイの華麗でメタリックな響きよりも、
ややもすればくぐもった、陰影のあるベヒシュタインの方が
とりわけバッハやドイツの初期ロマン派の演奏には合う。
確かに後半のリストに照準を合わせて
調律していたのかな、と思わなくもなかった。
[Weimar, Festsaal im Stadtschloss 2010 © DFS All Rights Reserved]_________
2011年がリスト年ということもあり、しばらくリストを取り上げていくようだが、彼にはやはり超絶技巧とは違う世界を開拓していってほしいと思う。あれだけの音色でシューベルトを表現できるピアニスト、すなわち単なる演奏家ではなく芸術家としての音楽家は、滅多にいないのだから。そして、彼の芸術にはやはりベヒシュタインが合う。
来年はオーケストラとのツアーに加え、夏の音楽祭への出演、秋には再びベヒシュタインの店舗ツアーをやるようだ。おそらく僕が彼のスタインウェイを聴いて感じたのと、同じ思いなのだろう。やはり相当にベヒシュタインに思い入れがあるようだ。
しかも、節操無くあちこちに出まくるのでもなく、舞台に立つ頻度を考えているようだし、がつがつと売り込むことなく、こうした小規模のツアーによって、じっくりと自分の音楽を追求している姿勢にも好感が持てる。
まだ20代であの円熟度合い。本当に円熟したら、どんな音楽になるのだろう??

________[Weimar, Stadtschloss 2009 © DFS All Rights Reserved]________
by fachwerkstrasse
| 2010-11-26 18:51
| 次世代の演奏家たち