まだまだ知られざるドイツの歴史探訪の旅。偉大な芸術がうみだされた現場や歴史の舞台となった場所を訪ね歩くことで、紙の上に留まらない活きた文化を醸成してゆく地道な旅の記録です


by fachwerkstrasse

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© 2010-2011 M.UNO

2005年よりドイツ在住
NRW→Thüringen→Hessen
と放浪の旅を経て、現在は
ドイツ・ハイデルベルク大学 
会議通訳修士課程 在籍中

日本独文学会幽霊会員
日本ヘルマン・ヘッセ友の会/
研究会幽霊会員


[翻訳] 

ヘルマン・ヘッセ:インドから
(ヘルマン・ヘッセ全集第7巻)
臨川書店(京都)

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なぜ「木組み街道?」 (5) - 象徴としての木組み建築 -

だからこそかえって、この街道に点在する木組みの家というのは、典型的かつ(批判を承知であえて言うと)純粋で素朴なドイツ文化の象徴的な存在と言える。しかし同時にまた、各地方の木組みの家を比較することで、その地方色も把握することができるのである。同じ木組みの家でも、北ドイツ中部ヘッセンチューリンゲン、そして黒い森地方とでは、色合いから装飾に至るまで実に異なる。

(ブレーメン旧市街の、かつて職人街だったシュノーア地区の木組みの家)

なぜ「木組み街道?」 (5) - 象徴としての木組み建築 - _b0206899_0375426.jpg

[das Bremer Schnoorviertel 2009 © DFS All Rights Reserved]
※ いつか北の木組み街道を訪れたら、写真を交換します。さしあたりこれは急場しのぎで… 
今は本文中のリンクをご参照ください。

木組み街道は、実は日本人に人気の観光ルートであるロマンティック街道とほとんどかぶっていない。たいていの日本人が目にするドイツの姿は実はごく一部の例外的なもの、といえるのである。例えばドイツ南部、特に南西部にかけては、フランスの影響を受けて洗練された優雅な宮廷文化が花開いたのだが、それも中部ヘッセンの素朴な街並みと比較することで、その差がよりはっきりとわかるようになる。


(プファルツ選帝侯の夏の離宮で有名な、城下町として発展したシュヴェッツィンゲンの中心部。
ハイデルベルクと同様にフランス風のバロック様式の建築で彩られている)
なぜ「木組み街道?」 (5) - 象徴としての木組み建築 - _b0206899_056798.jpg

[Schwetzinger Schlossplatz 2010 © DFS All Rights Reserved]


このブログ開設の時点で、実はこの木組み街道に属する98もの街の半分も見れていない。いくつかの街は公共交通機関で辿り着くのにとても難儀する場所にある。実際この街道は車で周遊することを前提としているため、バスが2時間に一本とかそんなことはお構いなしだ。

(バスもコーヒーブレーク)
なぜ「木組み街道?」 (5) - 象徴としての木組み建築 - _b0206899_0584857.jpg

[Bus vor dem Bf Dresden-Neustadt 2006 © DFS All Rights Reserved]

それに一度路線バスで、まさにこの街道に沿って移動した時に気付いたことだが、この街道に指定されているルートには、登録されている街だけではなく、その間の農村地帯のようなところにも古びた木組みの家が点在していて、とてものどかな風景を作り出している。だからこれは、街の中で育まれてきた建築だけではなく、街道全体を見て回ることに意義があるのだ。今はまだそこまでの余裕ある旅はとても無理だが、老後の楽しみに、これらのルートをもう一度巡ってみるというのも悪くはないだろう。

(街道沿いの小さな村にあった薬局)
なぜ「木組み街道?」 (5) - 象徴としての木組み建築 - _b0206899_1171227.jpg

[Gensungen Bahnhofstraße 2009 © DFS All Rights Reserved]
by fachwerkstrasse | 2010-09-21 01:22 | なぜ木組み街道?