まだまだ知られざるドイツの歴史探訪の旅。偉大な芸術がうみだされた現場や歴史の舞台となった場所を訪ね歩くことで、紙の上に留まらない活きた文化を醸成してゆく地道な旅の記録です


by fachwerkstrasse

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© 2010-2011 M.UNO

2005年よりドイツ在住
NRW→Thüringen→Hessen
と放浪の旅を経て、現在は
ドイツ・ハイデルベルク大学 
会議通訳修士課程 在籍中

日本独文学会幽霊会員
日本ヘルマン・ヘッセ友の会/
研究会幽霊会員


[翻訳] 

ヘルマン・ヘッセ:インドから
(ヘルマン・ヘッセ全集第7巻)
臨川書店(京都)

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ハイデルベルク大学図書館 マネッセ写本特別展

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開催期限ぎりぎりになってしまったが、
写本などの現物を生で拝める貴重な機会を逃
すまいと、大学図書館に足を運んできた。


こういう身近な場所こそが、一番億劫になって
タイミングを逃してしまうものなのである。


17,8世紀からの街並みが残るハイデルベルクに
あって、この大学図書館の建物は割に新しい。


__________[Universitätsbibliothek Heidelberg 2011 © DFS All Rights Reserved]


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建造は1905年で、カールスルーエの
建築家ヨーゼフ・ドゥルムが設計。


ファサードの装飾を手掛けたのは
同じくカールスルーエの彫刻家ヘルマン・フォルツとヘルマン・ヴィンツであった。


角にある巨大な塔はかつての
ハイデルベルク城へのオマージュ。


全体的にドイツとフランスの
ネオ・ルネサンス様式に
ユーゲントシュティールを
組み合わせた折衷様式となっている。




[Universitätsbibliothek Heidelberg 2011 © DFS All Rights Reserved]__________


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特別展の会場は階段を上がって上階にあった。



現在の図書館の貸し出し方式は、オンラインのカタログで
検索してから注文をかけて翌日以降に窓口で引き取りと
いうことになっているので、自習室やPCルーム、また一部
の教科書閲覧室などを除いて、本の山に埋もれて一日を
過ごせるという場所では、残念ながらない。





__________[Universitätsbibliothek Heidelberg 2011 © DFS All Rights Reserved]


マネッセ写本の他にも、図書館に所蔵されている貴重な印刷本や写本が特別展示される貴重な機会。
加えて、中世ヨーロッパの宮廷における詩や音楽、それらを作り奏でていた宮廷詩人(ミンネゼンガー)の
様子、そしてとその市の重要なテーマであるミンネ(恋愛)の実像や様々な表象についても分かりやすく
展示されていた。そして中世からの詩以下の伝統に近代に再び注目が集まるようになり、ナショナリズムと
結びついた形での「ドイツ文学」の勃興との関連、そして同時にまた、中世の写本に再び注目が集まるように
なり、複製本が印刷されるようになっていった経緯についても詳しく紹介されていた。

また、もともとハイデルベルクにあったこのこのマネッセ写本がどのような経緯をたどって、
ハイデルベルクを離れ、再び戻ってきたのか、その経緯や尽力した人達についての展示もあった。

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_____[Universitätsbibliothek Heidelberg 2011 © DFS All Rights Reserved]_____

大学図書館での展示とは思えないほどの充実した内容で、(この辺、さすがドイツ最古の大学の「学術力」だろうか)去年のうちからここで紹介しておけばよかったと思ったが、復習を兼ねてここで学んだことを少しづつブログで取り上げていきたいと思う。

ちなみに、当然ながら写本は一冊しかないので、拝めるページも見開き一ページだけ。期間ごとにページをめくっていたようだが、今回は差終了間際だったので、貴重な一ページのみ。今度の日曜日(2月20日)の18時まで、ハイデルベルク旧市街の大学図書館で開かれています。入場料は5ユーロ、割引3ユーロです。写本全体はデジタル化されてオンラインで自由に閲覧できるようになっているので、ご興味のある方はどうぞ。
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_____[Universitätsbibliothek Heidelberg 2011 © DFS All Rights Reserved]_____
by fachwerkstrasse | 2011-02-13 08:23 | マネッセ写本 特別展

大混乱のフランクフルト空港 ①

先月分のカンタータを取り戻そうとしている間に、肝心のリアルタイムの方がまたおぼつかなくなってきたので、俗な話題を差し挟んで間を持たせることにします。しばらく変則的に、これまでの空いた日程に、実現できていなかった企画をいくつか埋め込んで行きたいと思っています。お時間があれば、左欄のカテゴリか、過去のログ、または左下の最新記事の欄は更新順になってますので、そこからご参照頂ければ幸いです。


昨年末は日本のマスコミでも取り上げられるほど、大雪で欧州の航空路線は大混乱に陥った。
自分も帰省でもろにこのあおりを食らってしまったので、記念にしたためておこうと思う。
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______[Frankfurt Flughafen Terminal 1 2010 © DFS All Rights Reserved]_____


フライトは12月21日。前週までは降雪も積雪量もかなりものになっていたので、不安になっていたが、
出発当日は雨になっていた。これなら、離着陸は問題ないはず。。。と、安心していたのが甘かった。

確かに天候と離着陸そのものは問題ないのだが、前日までの路線網の混乱のあおりを食らって
出発ロビーは辺り一面人、人、人。クリスマス前という、ただでさえ人手の多い時期なのも痛い。

ルフトハンザのカウンターがあるAターミナルは、一応列と思しきものがあるが、はて最後尾はどこだ?
…と辿ってゆけども、ゆけどもない。途中で交通整理のおっちゃん、おばちゃんに「ルフトなんだけど」
って言っても「ハイ、最後尾はもっとあちらねー」と、2度ばかり言われる始末。

こりゃ出発時刻に間に合わねーな、と思ったので、とりあえず自動チェックイン機でチケットだけはゲットする。
チェックインした客を置いていくことはしないだろう。(・・・と言う確信も甘かったわけだが。。。)

途中で道がふさがれ、チケット持った人のみ前に進めるように通航制限をかけだした。
もうみんな「俺はどこに行けばいいんだ?」と、混乱状態。
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______[Frankfurt Flughafen Terminal 1 2010 © DFS All Rights Reserved]_____

ようやっとたどり着いた最後尾は、なんとCターミナル。

思ったよりは前進していくけれども、少なくとも予定登場時刻にはまず絶対に間に合わない。ふと出発案内を
みると、離陸時刻が45分伸びている。やはりこの混雑では、搭乗客をさばき切れていないのだろう。

無料のお水・ジュース・パン・お菓子のケータリングサービスも出ている。
確かに、これだけの身動き取れない状況では、体の具合にも影響してくるだろう。
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______[Frankfurt Flughafen Terminal 1 2010 © DFS All Rights Reserved]_____
by fachwerkstrasse | 2011-02-12 22:46 | 雑感

ツール・ド・ヨーロッパ ⑤

話がそれるが、丸山正男が指摘している通り、戦中のフルトベングラー=ベルリンフィルの演奏は、所謂クラシック音楽の演奏史における最高峰であり、これからさらにどれだけ録音技術や演奏技術、斬新な解釈や例えば古楽器による解釈が進化しようと、あれを超える演奏は二度と生まれないだろう。

ところで、今年に入ってまたもやフルトヴェングラーの「新譜」がリリースされている。しかしCD不況、ましてクラシック衰退の世の中で、相変わらず異常な人気を誇っているようだ。しかも録音のリリースが新聞で大々的に取り上げられるなどというのの、珍しい。

フルトベングラー、迫力そのまま SP盤が高音質CDに(朝日新聞 2月9日付)
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________[Heidelberg Alte Brücke 2011 © DFS All Rights Reserved]_______

個人的な今の時点での感想を言うなら、無尽蔵に奥深いとでもいおうか。様々な指揮者、録音、生の演奏を経た後で、フルトヴェングラーに立ち戻ると、同じ録音でありながら、それはいつも異なった顔を見せてくれる。それは、その曲のそれまで聴き手が見落としていた点だけでなく、フルトヴェングラーの演奏に隠された様々な秘密でもある。

ピアニストのアファナシエフも「演奏会にはわざわざ行かない。録音でフルトヴェングラーの素晴らしい演奏を聴いている方が、よっぽどいいから」というようなことを言っていたが、分かる気がする。僕自身、最近では、演奏会場で生の演奏に立ち会うのは、管弦楽が実際にどのように響いてくるのかを追認するのが目的で、それはむしろフルトヴェングラーの録音の乏しい音質を目いっぱい味わうために必要な「想像力」を補うため、という気がしてきている。

だから、丸山が「人類の音楽は、フルトヴェングラー戦時中の演奏をもって、その頂点とするんじゃないだろうか」と言うのは、おそらく多くの人が納得されることだろう。実際、戦時中の録音には戦後の録音にはない、尽きせぬ魅力がある。

その一つは、音質である。戦時中のお抱え録音技師だったシュナップ博士は、戦後の録音よりも克明に細かい音質まで捉えている。また、旧フィルハーモニーは残響豊かなホールであったらしく、それによるホールとの相乗作用で、オーケストラの音色にも良い影響を与えていたと思われる(ウィーンフィルの音色が、楽友協会ホールで培われたものであるのと同様)

しかし、何よりもこの戦時中録音を特別なものならしめているのは、他ならぬこの演奏者たちが置かれた状況、時代である。独裁体制、日に日に悪化する戦況、激化する空襲、破壊される都市、そして自分達が明日生きていられるのかも分からない毎日。

「『明日がない』、『これが最後のコンサートかもしれない』と覚悟したとき、人間はこんな音楽をやるんだねぇ」

(中野雄(1999)「丸山真男 音楽の対話」文春新書 1版 pp. 232-234)

もちろん、社会全体が崩壊に向かっている悲劇的な極限状態と、今の時代を生きる若者たちとでは、そもそも比較にもならないのかもしれないが「これが最後」という思い、そしてそれが通常ではありえない豊かな音楽を結果として生み出す、これは一つの真理としてあるのかもしれない。

そうしたわけで、彼のこの話を聞いた時に、フウルトベングラーの戦中録音のことが、頭をよぎったのだった。
by fachwerkstrasse | 2011-02-11 23:43 | ツール・ド・ヨーロッパ

ブログ再開

一カ月以上間をおいてしまう結果となりました。個人的な事情が重なり、とても記事を書ける状態にはなかったのです。何人かの方にはご心配をおかけいたしまして、すみませんでした。まったく更新されない中、1000人近くの方にご訪問頂いていたようで、心苦しい限り。しかし今日から再開したいと思います。

年明けから鬱々としていた気持ちを打破すべく、先日フランクフルト歌劇場の、新演出トスカを見てきました。なにせ指揮がキリル・ペトレンコ!ただ、これは期待しすぎたのが仇になって、決して完全に満足というわけではありませんでした。演出も、簡素で現代性を意識した今回の舞台装置よりも、前回の方が僕は好感がもてました。なんといっても、このオペラ、やっぱり最後にトスカが本当に飛び降りないとだめでしょう(笑)

フランクフルト2002年バージョンは、舞台空間をふるに活用した立体的な舞台装置で、最後に追い詰められたトスカが本当に飛び降りていくのに、新演出では、舞台上をあたふた駆け回るトスカの上から赤い布がひらひら降りてきて、トスカを隠しておしまい!という。しかし、実際に歌手が舞台装置から飛び降りるのと、下手な小細工でごまかすのとでは、最後のフォルティシッシモ(fff)の映えがまったく違う。あれは現代的か擬古典的演出かに関わらず、歌手には落ちてもらわないと困る!

______フランクフルトの旧オペラ座。戦後の再建で内部は現代風のコンサートホール______
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________[Alte Oper Frankfurt 2011 © DFS All Rights Reserved]_________

また、フランクフルト歌劇場(管弦楽団:舞台に立つ時はMuseumsorchesterと名乗る)の早くも今年の目玉となる、フランツ・シュミットの「7つの封印の書」を聴いてきました。巨大なオーケストレーションと、伝統的かつ作曲者独自の語法を極限まで探求した複雑怪奇な和声と書法をフルに生かした、それこそまさに「この世の終末と救済」を肌で感じてきました。これも、近々詳しく取り上げたいと思います。現音楽監督のセバスティアン・ヴァイグレは、意識的にドイツものを取り上げているようなので、これからも目が離せません。

というわけで、いろいろと書きためている題材もいろいろとありますし、本来ならこうしている間にも書き続けなければならないものもたくさんありますので、まとめてがんばっていきたいと思います。どうぞよろしく!
by fachwerkstrasse | 2011-02-11 10:01 | 雑感