まだまだ知られざるドイツの歴史探訪の旅。偉大な芸術がうみだされた現場や歴史の舞台となった場所を訪ね歩くことで、紙の上に留まらない活きた文化を醸成してゆく地道な旅の記録です


by fachwerkstrasse

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© 2010-2011 M.UNO

2005年よりドイツ在住
NRW→Thüringen→Hessen
と放浪の旅を経て、現在は
ドイツ・ハイデルベルク大学 
会議通訳修士課程 在籍中

日本独文学会幽霊会員
日本ヘルマン・ヘッセ友の会/
研究会幽霊会員


[翻訳] 

ヘルマン・ヘッセ:インドから
(ヘルマン・ヘッセ全集第7巻)
臨川書店(京都)

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公現祭 クリスマス・オラトリオ第6部

毎年クリスマスシーズンに聴き慣れてきたこの曲も、実は正月気分すら過ぎ去った後のこの時期のためのものだった。現在はドイツでもクリスマスを祝うのは24日と25日だが、本来のキリスト教上の暦は、25日の聖夜からこの日までが降誕節なのである。公現祭(Epiphanias)とは、読んで字のごとく、神が人としてのキリストの姿で現前したことを記念するものであり、当然暦の中でも非常に重要な位置を占めている。この第6部がとりわけ勇壮で華やかな気分に満ちているのも、そのためだろう。

シュライヤーの指揮でどうぞ。

初演は1735年1月6日、午前中にトーマス教会、午後にニコライ教会で上演された。

冒頭のカンタータ詩句「主よ、驕れる敵どもが息巻くとも」は、一方ではこの公現祭の主旨に沿ったものだが、他方ではまたこの曲の成立事情ともかかわってくる。公現祭出本来取り扱われるべき東方の三賢人の物語は、ここでは最後に触れられるのみである。なぜならこれはすでに第5部に出てくるからである。そしてマタイの福音書2章からの引用「ヘロデ王は3賢人をひそかに呼びつけ…云々」がレチタティーヴォで歌われる。カンタータ全体の中では3賢人がヘロデ王の依頼を受けて幼子イエスを見つけ出し、帰りは周り道をして帰還する一連の物語が謳われる。

残りの5つのカンタータと同様に、ここでもアリアや冒頭の合唱曲がパロディである。ただしレチタティーヴォ部分もパロディであるのが、唯一異なる点である。つまり同様に6曲からなる教会カンタータ全体をごっそり転用したというわけだ。このカンタータは現存しておらず、1734年に作曲されたミカエル祭のためのカンタータではないかと推測されている。ここから音楽だけでなく詩句の一部も転用された可能性がある。

クリスマス・オラトリオは世俗カンタータからのパロディ作品なのではあるが、別な見方をすればバッハが書きためた中でも選りすぐりの作品を、さらに6曲のチクルスという統一的なコンセプトのもとに、さらに練りなおした集大成的なものともいえるだろう。実際、絢爛豪華な曲が結集されたことで、クリスマスにふさわしい華やかな雰囲気満載となっている。とりあえず一年、教会カンタータを巡ってみれば、また新たな発見があるかもしれない。
by fachwerkstrasse | 2011-01-06 23:47 | クリスマス