まだまだ知られざるドイツの歴史探訪の旅。偉大な芸術がうみだされた現場や歴史の舞台となった場所を訪ね歩くことで、紙の上に留まらない活きた文化を醸成してゆく地道な旅の記録です


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© 2010-2011 M.UNO

2005年よりドイツ在住
NRW→Thüringen→Hessen
と放浪の旅を経て、現在は
ドイツ・ハイデルベルク大学 
会議通訳修士課程 在籍中

日本独文学会幽霊会員
日本ヘルマン・ヘッセ友の会/
研究会幽霊会員


[翻訳] 

ヘルマン・ヘッセ:インドから
(ヘルマン・ヘッセ全集第7巻)
臨川書店(京都)

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降誕祭第2日 クリスマス・オラトリオ第二部

こちらの初演は1734年12月26日の早朝トーマス教会にて。午後にニコライ教会でも再演された。
元となったエピソードは、ルカの福音書の第二章。
羊飼いたちがベツレヘムの飼い葉おけの下にやってきたくだりである。
本来降誕祭第1日用であったテキストが割り振られているのは、前回述べた通り。

今回もまずはシュライヤーの指揮でどうぞ。

福音史家のテクストが4つの部分に分かれ様々な長さで朗誦され、それにコラールが応唱ないし新たに作詞されたテクストに基づくレチタティーヴォかアリアで内容が補足される。天使が登場する箇所は、ヨハン・リスト作の讃美歌「弱き精神よ、奮い立て」の9番で「出でよ、美しき朝焼けの光よ」の力強い歌いだし。かいばおけを指す下りは、パウル・ゲルハルトの讃美歌「見よ、見よ、何たる奇跡か」の8番で「見るがよい、そこの暗い厩におられる」の歌い出しだ。カンタータの最後を締めくくるコラールも、同じくゲルハルト作の
「汝に歌わん、イマヌエルよ」の2番である。

アリア2つを除いて、福音史家のレチタティーヴォに次いで、ソプラノに移行された受胎告知とそれに続く緻密な天使の合唱、3つのバスによるレチタティーヴォ、コラールとなど、声楽部分は新たに作曲されたものだ。

2つのアリアは世俗カンタータからの転用だ。フルートのオブリガート付のテノールのアリアは1733年の女王カンタータからで、原曲では、このメヌエットのような舞曲に近い楽章はアルトとオーボエ・ダモーレによる編成で、芸術の女神パラスアテーネが歌われている。同様に「眠れ、わが愛しき子よ」のアリアも、1733年のヘラクレス・カンタータからのもので、原曲ではソプラノで弦楽器のみの編成となっている。

また、この第二部のカンタータでとっぴつすべきは、声楽のない冒頭のト長調のシンフォニアだろう。羊飼いの集う夜の情景と天使のお告げを予感させる、内省的な美しい曲だ。ほとんど写実的といってもいいような、バイオリンとフルートによる天使の安らぎに満ちた音楽は、完全性を象徴する8分の12拍子で、これがまず羊飼いのショームhttp://de.wikipedia.org/wiki/Schalmeiのリズミカルな動きと交代する。これらが光と影の交代が進みながらかみ合ってゆき、合奏部分が最終的には見事な8声部に統合してゆく。前例のない見事な音楽だ。

このシンフォニアの最も秀逸な演奏は、実はルネ・ヤーコブスのもの。
僕はこれを聞いて、初めてこれが「夜の音楽、幼子を優しく見守る、他の5曲の祝祭的な
雰囲気とは一線を画した特別な曲なのだということを、初めて認識した。
by fachwerkstrasse | 2010-12-26 15:01 | クリスマス