まだまだ知られざるドイツの歴史探訪の旅。偉大な芸術がうみだされた現場や歴史の舞台となった場所を訪ね歩くことで、紙の上に留まらない活きた文化を醸成してゆく地道な旅の記録です


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© 2010-2011 M.UNO

2005年よりドイツ在住
NRW→Thüringen→Hessen
と放浪の旅を経て、現在は
ドイツ・ハイデルベルク大学 
会議通訳修士課程 在籍中

日本独文学会幽霊会員
日本ヘルマン・ヘッセ友の会/
研究会幽霊会員


[翻訳] 

ヘルマン・ヘッセ:インドから
(ヘルマン・ヘッセ全集第7巻)
臨川書店(京都)

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待降節 第1主日のためのカンタータ BWV36

先のBWV62にも増して、華やかで祝典的な雰囲気のこの曲。
それは、この曲が辿った複雑な作曲プロセスによるものだ。

BWV61の訳詩がありました。リンク先の情報については責任を持ちませんが、ご参考までにどうぞ。

今回の訳詩はこちら

アーノンクールの音源が上がっていました。

こちらはトーマスカントール、ギュンター・ラーミン1952年の録音

さらに、ヘレヴェッヘの第一アドヴェント用の3曲のCD 試聴のみですが…

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_______[Bad Wimpfen Hauptstraße 2010 © DFS All Rights Reserved]______


この曲の成立事情は、非常に独特かつ複雑な経緯を経ている。元来は誕生日祝いのための世俗カンタータとして作曲されたものが詩句と音楽ともに拡大・不可を繰り返して、実に5度に渡る改定を経た、いわゆる「パロディ・カンタータ」である。そのプロセスの詳細は、少々厄介なテーマなので、またの機会に譲るが、最終的にはコラール詩句に基づいてカンタータの詩句が練られ、最終稿に落ち着いた。

世俗カンタータで付加されていたレチタティーヴォ部分はすべてカットされている。また、ここでもルターの「異教徒の救い主」とフィリップ・ニコライによる「明けの明星」の讃美歌の一節が採用されている。そのため、詩句だけを見れば、ややもすると古めかしいもののように思えるが、それに対して、音楽の様相はきわめてバラエティに富んでいる。それは導入部の合唱曲と3曲のアリアが世俗カンタータとして作曲されたことによる。

導入部では合唱が和声と対位法を交互に織り交ぜ、さらに弦楽器に彩られたオーボエ・ダモーレが先導する煌びやかな器楽合奏が置かれている。当初の世俗カンタータとしての性格に、この室内楽的な編成はまさにぴったりなのだが、教会でこれを演奏するとなると音響面からいくつかの問題が生じたに違いない。バッハはこの点を考慮して、当初の意図とは裏腹に、教会カンタータへの改訂の際に、オーボエ・ダモーレを2本に増強している。

続く二重唱では厳格なコラール処理によって厳粛な雰囲気にガラッと変わる。ルターの「異教徒の救い主」のコラールが緊密な3声体のカノンで処理される。ところが次に来るテノールの歌唱とオブリガートのオーボエ・ダモーレによるアリアでは、典雅なパスピエの緩やかな舞踏のリズムで、導入部の雰囲気が再現される。そして素朴な4声体のコラールで第1部を締めくくる。
b0206899_2345584.jpg

_______[Bad Wimpfen Hauptstraße 2010 © DFS All Rights Reserved]______


ミサでは本来ここで説教が行われ、それに続いて、バスによる力強い華やかなアリアで、第2部が始まる。生き生きと動く第1ヴァイオリンを主体とする弦楽器が祝典的な華やかな雰囲気を醸し出している。

続いて、再び雰囲気ががらっと変わり、「異教徒の救い主」のコラールが、カルテットとして処理される。
ここでは二本のオーボエ・ダモーレと通奏低音が模倣的に処理された対位法のパートを担う一方、
テノールの歌唱は伝統的な讃美歌の歌い方を踏襲して長い音価となっている。

次のソプラノによるアリアは、ソロヴァイオリンとソプラノの歌唱が穏やかな光に包まれたような雰囲気を
醸成し、優美な旋律と弦楽器の優美な音型が交互に奏でられる。弦楽器の音型は、アリアの中間部で
おどけたようなエコー効果をももたらす。終曲では再び「異教徒の救い主」が、ここではコラールの処理は
行われずに、簡素な4声体で歌われる。
by fachwerkstrasse | 2010-12-18 23:07 | 教会暦 カンタータ