まだまだ知られざるドイツの歴史探訪の旅。偉大な芸術がうみだされた現場や歴史の舞台となった場所を訪ね歩くことで、紙の上に留まらない活きた文化を醸成してゆく地道な旅の記録です


by fachwerkstrasse

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© 2010-2011 M.UNO

2005年よりドイツ在住
NRW→Thüringen→Hessen
と放浪の旅を経て、現在は
ドイツ・ハイデルベルク大学 
会議通訳修士課程 在籍中

日本独文学会幽霊会員
日本ヘルマン・ヘッセ友の会/
研究会幽霊会員


[翻訳] 

ヘルマン・ヘッセ:インドから
(ヘルマン・ヘッセ全集第7巻)
臨川書店(京都)

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次世代の演奏家 - フランソワ・シャプラン -

次世代の演奏家  - フランソワ・シャプラン - _b0206899_22424046.jpg



最初にご紹介するのは、フランスの新進気鋭のピアニスト、シャプラン。





公式HPはこちら





["CHOPIN Ballades, Barcarolle, Berceuse" Septembre 2007 © Arion] ________________


HMVのニュースで興味を持って、ドイツのアマゾンで聴いてみたら、およそこれまで聴いたことのない響きに驚愕した。(試聴機能が充実しているので、これだけでも十分楽しめてしまう。マタイ受難曲だと1トラックあたり1分だとしても、一時間以上持ってしまうので)

(HMVサイト)
ショパン・ノクターン集       ショパン・バラード集       ドビュッシー・ピアノ作品集

(ドイツ・アマゾン(試聴機能付)
ショパン・ノクターン集       ショパン・バラード集       ドビュッシー・ピアノ作品集

(夜想曲は、リリース直後には試聴音源がアップされていたのですが、一時的に(?)消されているようです)

詳細については、HMVの各CDサイトの批評に詳しいので、そちらをご覧いただきたい。
ピアノの響きと楽器の性能について、僕の方からこれ以上書くこと(書けること)はありません…

特にドビュッシーは、作曲家本人が、従来なかった響きを追求しながら、独創的な和声を編み出していった、そのおもしろさを存分に味わえる快演だ。これを聴くと、いかに多くのピアニストが、ピアニストとしての(極論すれば、自己顕示欲から来るアクロバティックな)視点からドビュッシーにアプローチしていたのかを思い知らされる。

ギーゼキングも、おそらく響きに拘っていた人のはずなのだが、録音技術で名高いEMIに録音を残してしまったおかげで、彼の持ち味であった(とされる)豊かな音色がまったく味わえないのが残念。(ただし、最晩年の56年にBBCにライヴ録音した音源は、かなり克明に彼の音色を捉えている)

また、ミケランジェリのような、演奏家個人のカリスマ性による美しさとも違う。徹頭徹尾計算された美しさだ。

ショパンも実は、旋律の豊かさなどについ目が向きがちであるが、実はドビュッシーと同じく「響き」を念頭に置いて、斬新な和声を開拓した人なのだ。そうしたショパンの「響き」を堪能できる貴重な録音だといえるだろう。
by fachwerkstrasse | 2010-10-30 22:50 | 次世代の演奏家たち